キッチン

換気扇・レンジフードの油汚れ、プロが教える掃除を楽にする落とし方と予防策

キッチン

毎日の料理で少しずつ蓄積される油の汚れ。
放置すると頑固になり、掃除の手間や時間が倍増します。

この記事では、プロの清掃業者としての経験を交えながら、家庭でできる効率のよい油汚れの落とし方と、汚れを防ぐ予防策を紹介します。

なぜ換気扇やレンジフードに油汚れが付くのか?

油汚れは「油煙+水蒸気+ホコリ」の3要素でできています。

  1. 調理中の油煙
    食材を加熱すると、油が微粒子になって空気中に漂います。
  2. 水蒸気と油の結合
    油煙が水蒸気と混ざると粘着性が増し、換気扇に付着しやすくなります。
  3. ホコリの付着
    時間が経つと油の表面にホコリが積もり、より頑固な汚れに変化します。

実際、私が清掃業者時代に伺ったお宅では、コンロから離れた換気扇でも油まじりのほこりがびっしり付いていました。

理由は、調理中に発生した水蒸気に油の粒子が付着し、それが部屋中に広がって換気扇に吸い込まれるからです。冷えると固まり、さらにホコリが付着して頑固な汚れに変わります。

プロが実践する 賢い 油汚れ掃除のコツ

まずは分解できるパーツを外す

必要な道具

  • 大きめのゴミ袋(またはシンク)
  • 中性またはアルカリ性洗剤
  • ドライバー(機種によって必要)
  • ビニールシート・新聞紙
  • ゴム手袋
  • ヘラ・ブラシ・スポンジ・マイクロファイバークロス

分解前の注意

  • 感電防止のため、必ず電源を抜く
  • 床やコンロをビニールや新聞紙で保護
  • ネジの位置をメモや写真で記録

シロッコファンタイプの分解手順(例)

①整流板を外す

  • マグネット式:両手で支え、マグネットキャッチを外す
  • レバー式:両端のレバーを下げる(固い場合は潤滑油)

②フィルターを外す

  • ツメ式:内側に押して引き抜く
  • ネジ式:ネジを外して取り外す
  • その他: 一部の機種では、フィルターがスライド式
スライド式

③ベルマウスを外す

  • ネジ式:ネジを回して下にスライド
  • ワンタッチ式:ツメを押して手前に引く
ネジ式

④シロッコファンを外す

  • 中央ネジを外す
  • 固定リングを反時計回りに回し、引き抜く
    「実際に外したシロッコファンがこちら」

⑤オイルパックを外す(ある場合)

つけ置き洗浄で一気に落とす

  • ゴミ袋またはシンクに40〜50℃のお湯を張る
  • 洗剤を入れ、外した部品を30〜60分浸ける
  • 浸けた後、ブラシやスポンジで軽くこすり、すすぎ、乾燥

お湯の温度が低いと油が落ちにくく、逆に高すぎるとプラスチックが変形することがあるため注意。

外せない部分の掃除

軽度の油の汚れであれば、アルカリ電解水スプレーやオレンジ成分を含むスプレー洗剤を汚れた箇所に直接噴霧し、素早く拭き取るだけで、簡単に汚れを落とすことが可能です。

内側の頑固な汚れには、スプレーを吹きかけ後、ブラシやコゲ取りスポンジで優しくこすり洗いすると、スッキリ落とせます。

細かいところはハケを使うと効率よく落とせます。

シロッコファンのモーター部分は濡らさないよう雑巾で覆うことを忘れないでください。

油汚れを放置するとこんな危険が!

火災のリスクが高まる

換気扇やレンジフードに蓄積した油汚れは、調理時の火が引火する要因となり、火災のリスクを高めます。特にコンロの直上に取り付けられているレンジフードは、油汚れが火元に近い位置にあるため、より一層の注意が必要です。

 換気効率の低下

油汚れがフィルターやファンに蓄積すると、空気の流れが阻害され、換気効率が悪化します。さらに、カタツムリと呼ばれる換気ダクト内に溜まった油は、シロッコファンの動作を妨げる可能性があります。これにより換気機能が低下し、最終的には機器の故障につながる恐れがあります。

 衛生面の問題

油汚れは、カビや細菌の温床となりやすくゴキブリなどの害虫のエサにもなり、不衛生な環境を作り出します。放置することで、キッチン全体の衛生状態が悪化する可能性もあります。

定期的なフィルター掃除で日常メンテを楽に

長期間放置されていない比較的新しい油汚れには、洗剤パック法が効果的です。まずキッチンペーパーを汚れた部分に当てます。次に、アルカリ電解水をその上から噴霧し、紙に十分染み込ませ、しばらく時間をおきます。

その後、ブラシやスポンジを使用して軽くこすり洗いを行い、最後にお湯で十分に洗い流します。

フィルターを洗うときに注意したいのが、洗剤の使い方です。強いアルカリ性の洗剤を使うと、黒い塗装部分が剥がれたり色が薄くなったりすることがあります。実際、私もつい力を入れてゴシゴシこすってしまい、少し塗装がはがれてしまったことがありました。

そんなときは、ゴシゴシではなく“なでるように”洗うのがコツです。やさしく洗えば汚れも落ちますし、塗装も長持ちしますよ。

油汚れを防ぐ予防策

調理中の換気扇は必ずオン

調理中は換気扇を必ずオンにして、油煙を効率的に排出しましょう。調理後も、すぐに消してしまうのではなく、30分くらい弱風で回し続けることで、キッチン内の油分を飛ばし減らすことができます。

こまめな拭き掃除を習慣に

調理後、レンジフードや換気扇の表面を、キッチンペーパーなどで軽く拭き取るだけでも、油汚れの蓄積を防ぐことができます。毎日こまめに拭き掃除をすることで、大掛かりな掃除の頻度を減らすことができます。

フィルターを活用

フィルターを上手く活用することで、油汚れの蓄積を大幅に減らすことができます。

磁石がついていてとても便利
フィルターカバーの有無で、内部の汚れ具合に顕著な違いが生じてきます。定期的な交換が必要ですが、清掃の労力削減を考慮すると、その使用価値は十分にあると思います。
フィルターのおかげでほぼ汚れがついていませんでした。

まずは軽く拭き掃除やフィルター掃除を習慣にして、年に1〜2回しっかり分解洗浄するのがおすすめです。

まとめ

油汚れは「早めに落とす」「予防する」のが何よりの近道です。
プロの現場でも、この2つを徹底するだけで清掃時間が半分になります。

今日紹介した方法の中から、まずは“拭き掃除だけ”でも始めてみてくださいね。
あなたの家の換気扇は最後にいつ掃除しましたか?
コメント欄で教えてください。

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