排水管の詰まりは、キッチン・お風呂・洗面所・トイレ・洗濯機など、家庭のあらゆる場所で起こる可能性があります。
放置すると悪臭や逆流、水漏れの原因となり、修理には高額な費用がかかることも…。
でも安心してください。この記事では、排水管が詰まる原因と、日常的にできる予防習慣、そして実際に詰まってしまったときの解決法をわかりやすく解説します。
今日から実践できる習慣で、トラブルを未然に防ぎましょう。
排水管が詰まる主な原因
キッチンの詰まり
油汚れ、食品カス、洗剤の残りカスなどが固まって発生。
お風呂の詰まり
髪の毛、皮脂汚れ、シャンプーやリンスの成分。
洗面所の詰まり
髪の毛やヒゲのカットくず、歯磨き粉の成分、化粧品。
トイレの詰まり
トイレットペーパーの使いすぎ、流せないもの(ティッシュ、ペット砂など)。
洗濯機の詰まり
糸くず、洗剤の溶け残り、水垢。
詰まりを防ぐための習慣5選
キッチンでの習慣
- 油を流さず新聞紙やキッチンペーパーに吸わせてから洗う
- 三角コーナーやネットを活用して食品カスを流さない
- 食器を洗う前に油汚れを拭き取る ※出典:環境省「家庭排水の水質と処理」

「特に冬は油が冷えて固まりやすいため、排水トラブルが起こりやすい時期といえます。
簡単な対策としては、食器洗いが終わったあとに40〜50℃のお湯を数分間流すこと。これだけで油が固まりにくくなり、排水もスムーズになります。
私自身、この習慣を取り入れてから「流れが悪いな」と感じることがほとんどなくなりました。
お風呂場での習慣
- ヘアーキャッチャーを設置し、お風呂あがりに髪の毛を取り除く。
- カビやヌメリ対策に、市販のヌメリ防止剤など(我が家では「ダスキン排水口カビガード」)を活用しています。
- 夏場などシャワーのみの使用が続く場合は、定期的に浴槽にお湯を張り、勢いよく排水することをおすすめします。浴槽と排水口の間に虫が発生したり、異臭がするのを防ぐことができます。
洗面所での習慣
- 髪の毛やヒゲを流さずにティッシュで処理し、排水管へ流れるのを防ぎましょう。
- 歯磨き粉は 少量で十分 効果を発揮します。
歯をしっかり磨けるだけでなく、余分な歯磨き粉が排水管に流れ込むのを防げるので、管内の汚れや詰まりのリスクも減らせます。
実際に、私自身の体験ですが、洗面所の排水管を10年以上掃除していなかったことに気づいたことがあります。さすがに不安になり、確認してみたところ、意外にも排水管はきれいな状態でした。理由を振り返ると、毎日やっていたことといえば、「髪の毛を排水口に流さない」ことを徹底していたことです。使用後は必ずティッシュで髪の毛を取り、ゴミ箱に捨てる習慣を続けていました。小さな心がけの積み重ねが、長年排水管を守ってくれていたと実感しました。そして、髪の毛こそが排水管を詰まらせる代表的な要因だと再確認できました。

10年以上放置していた排水管
トイレでの習慣
- ロールペーパーは数回に分けて流す。(水圧の弱い節水型トイレでは特に注意が必要です。)
- 流せるタイプのお掃除シートも、排水には流さないようにしましょう。メーカーも使用を推奨しておらず、ロールペーパーと比べて水に溶けにくいため、排水管の詰まりの原因になりやすいです。安全のため、使用後はゴミ箱に捨てることをおすすめします。
- ティッシュペーパーやウェットティッシュ、生理用品、オムツ、タバコの吸い殻、食べ残しなど、水に溶けにくいものは、絶対にトイレに流さないようにしましょう。安全のために必ずゴミ箱に捨てることをおすすめします。
- トイレのタンクには、必ずメーカー指定の芳香剤や洗浄剤以外のものを入れないようにしましょう。節水用ペットボトルなどを入れると、排水管の詰まりやタンクの故障を引き起こし、トイレ本来の機能を損なう可能性があります。
洗濯機での習慣
- 糸くずフィルターを毎回掃除
- 洗剤も柔軟剤も使用量少なめをお勧めします。過剰な使用は泡立ちや成分が堆積し排水不良を引き起こす可能性があります。
- 洗濯前に衣類から髪の毛やペットの毛をできるだけ取り除いてください。これらの毛は排水系統で絡まりやすく、深刻な詰まりの原因となる可能性があります。
- 2〜3か月に1度は洗濯槽クリーナーを使用
- 排水トラップの掃除も忘れずに行いましょう。

軽度の詰まりへの対処法
キッチンの軽度の詰まり
- 40~50℃程度のお湯を少量ずつ排水口に流します。
- 排水口トラップ内の水分を雑巾で取り除きます。
3.キッチン泡ハイターを注ぎ込み、泡が沈む前にラップで覆い真空状態を作ります。
4.30分放置後、お湯で泡と汚れを洗い流します。
お風呂場の軽度の詰まり
- 手が届く範囲で、排水口の奥に溜まった髪の毛やゴミを取り除きます。
- 排水口を完全に覆うようにラバーカップを設置し、押し引きを繰り返すことで詰まりを吸引します。ただし、力を入れすぎないよう注意が必要です。
洗面所の軽度の詰まり
- 洗面台の下にバケツを置き、トラップの底にあるキャップまたはナットを緩めて外します。
- トラップ内に溜まった髪の毛やゴミを、古い歯ブラシやスポンジを使って取り除きます。トラップの内の汚れやヌメリを落とします。
トイレの軽度の詰まり
- 50℃前後のお湯をバケツに入れ、便器の水たまりに向けて勢いよく流します。これにより、ロールペーパーや排泄物がほぐれやすくなります。
- ラバーカップを便器の水たまりに密着させて押し引きすることで、つまりを解消できます。
- 重曹をカップ1杯分便器に振りかけ、その後酢をカップ1杯加えます。30分から1時間放置後、水を流して確認します。
洗濯機排水口の軽度の詰まり
- ペットボトルに40℃程度のお湯と重曹を混ぜた溶液を入れます。
- DAISOの「加圧式霧吹き」をペットボトルに取り付け、ポンプで加圧します。
- 排水口の内部全体に溶液をまんべんなく噴射します。
- 特に汚れが目立つ箇所には、集中的に噴射して汚れを落とします。
この方法により、排水口の汚れを効果的に除去できます。お湯と重曹の組み合わせで、油汚れや雑菌も落とせるでしょう。ただし、40℃以上の熱湯は使用しないよう注意してください
重度の排水管詰まりで避けるべき行動
無理に水を流す
詰まりがひどい状態で水を流すと、逆流して床を水浸しにする可能性があります。また、洗濯機の場合は、本体に水が入り込み故障の原因になることもあります。
市販のパイプクリーナーを安易に使う
パイプクリーナーは強力な薬剤を含んでいるため、使い方を誤ると排水管を傷めたり、健康被害を引き起こす可能性があります。特に、重曹や他の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する危険性があるので、絶対に混ぜないでください。
異物を排水溝に突っ込む
ワイヤーハンガーなどを排水溝に突っ込むと詰まりをさらに悪化させたり、排水管を傷つける可能性があります。
放置する
詰まりを放置すると悪臭や害虫が発生します。さらには排水管の腐食や破損につながる可能性があるので、早めに対処しましょう。
重度の詰まりの場合は自分で解決しようとせず、専門業者に依頼することが最善です。専門業者は専用の器具や知識を持っており、安全かつ確実に詰まりを解消してくれます。
排水管トラブルを防ぐ豆知識
排水口には「トラップ」と呼ばれるU字型や椀型の構造があり、そこに溜まる水「封水」が重要な役割を果たしています。封水は下水管からの悪臭や害虫の侵入を防ぎ、私たちの快適な生活を支えています。
長期不在時や掃除後は、排水口に少量の水を足して封水を維持することで、トラブルを予防できます。普段は目に見えませんが、トラップと封水は私たちの生活を守る重要な仕組みなのです。
まとめ|日々の心がけで快適な生活を
排水管の詰まりは、日常の小さな習慣で大きく予防できます。
- 油や髪の毛を流さない
- 定期的に掃除する
-
異変があれば早めに対処する
この3つを意識するだけで、排水トラブルの多くは防げます。
もし自分で解決できない場合は、無理をせず早めに専門業者へ相談しましょう。
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