我が家には2匹のミニチュアダックスフンドが暮らしています。やんちゃでまだまだ子犬のような7歳のクゥと、落ち着きが出てきた13歳のシュシュ。とくにクゥは常に元気いっぱいで、家族を笑わせてくれる存在でした。
しかし、ある日の夜、そのクゥが突然歩けなくなったのです。その日のことを思い出すと、今でも胸が締め付けられるような気持ちになります。
本記事では、クゥの椎間板ヘルニア発症から診断、手術を決断するまでを、飼い主としての体験談にまとめました。同じような状況に直面している方に少しでも参考になれば幸いです。
発症の瞬間(原因)
その日は家族で出かけて帰宅したのは夜の10時過ぎ。玄関を開けると、いつものようにクゥがぴょんぴょんと飛び跳ねながら迎えてくれました。まるで「遅かったね!」と話しかけてくれるような姿に、思わず笑顔になったのを覚えています。
その後、ご褒美に大好きなガムをあげようと「待て」をさせ、「よし!」の合図でジャンプさせた瞬間――。キャッチに失敗したと同時に、「キャイーン!」という今まで聞いたことのない高い鳴き声を上げ、そのまま足元に崩れ落ちました。
抱き上げても甘えるように泣き続け、床に下ろすと後ろ足をかばってびっこを引いていました。元気いっぱいだったいつもの姿とのあまりの違いに、家族全員が凍りつきました。
救急で行くべきか迷った夜
あまりに突然の出来事に、私は動揺して「今すぐ救急に駆け込むべきか、それとも朝まで待つべきか」と悩みました。スマホで調べてみても情報は溢れており、余計に不安ばかりが大きくなりました。
その夜、家族で相談し、「まずは明朝すぐにかかりつけの大きな病院へ行こう」と決めました。それでも心配のあまり娘はリビングに布団を敷き、クゥのそばで一晩を過ごしました。彼女が眠らずに見守る姿は、家族の誰よりも頼もしく見えました。
犬の椎間板ヘルニアの主な症状(チェックリスト)
ダックスフンドは椎間板ヘルニアの好発犬種といわれています。
症状は進行が早いことも多く、見極めが重要です。
以下のような症状が見られたら注意が必要です。
✅歩き方がぎこちない、後ろ足を引きずる
✅急に立てなくなる、よろける
✅背中を触ると痛がる
✅排尿・排便のコントロールが難しくなる
✅声を上げて痛がる
「少し様子を見よう」と判断するのは危険な場合もあります。
迷ったらできるだけ早く病院を受診することが大切です。
診断のとき
翌朝一番で病院へ。診察では、担当の先生が神経の反射確認や歩行状態を丁寧にチェックしてくださいました。レントゲンも撮りましたが、骨には目立った異常は見つかりませんでした。
そこで提示されたのが

- 安静にして投薬で様子を見るか
- 全身麻酔のうえでMRIを行うか
という選択肢でした。
麻酔のリスクと検査費用、そして正確な診断ができる利点…。家族で何度も顔を見合わせ、最終的に「原因をはっきりさせてあげたい」とMRI検査をお願いする決断をしました。
MRI検査の結果
検査のあと、先生から「椎間板ヘルニアで間違いありません」と伝えられました。モニターに映る画像で、神経が圧迫されている様子を見せられた瞬間、現実を突きつけられたような衝撃を覚えました。
家族みんなで「これからどうするのが一番いいのか」と話し合いながらも、まずは原因がはっきりと分かったことに少しだけ安堵しました。
レントゲンとMRIの違い
検査方法 | 費用の目安 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
レントゲン | 約4,000円〜1万円前後
※私の場合は4,500円 |
骨や関節の状態を確認できる | ・費用が比較的安い ・短時間で撮影可能 ・動物への負担が少ない |
・神経や軟部組織は映らない ・原因が特定できない場合がある |
MRI | 約7万円〜数十万円(病院や地域差あり)
※私の場合は77,500円 |
神経や脊髄などの詳細な状態を確認できる | ・レントゲンでは分からない部分が明確に見える ・手術の必要性や治療方針がはっきりする |
・費用が高額 ・全身麻酔が必要でリスクがある |
私が「MRIを受けて良かった」と思えた理由
- レントゲンでは分からなかった病変が、MRIでははっきり確認できた
- 手術が必要かどうか、治療の方向性が明確になった
-
「やれることはやった」と思え、後悔のない選択につながった
もちろん、全てのケースでMRIが必要というわけではありません。
でも、検査をする・しないのどちらを選んでも家族として「納得して決められた」ということ が、一番安心できる要素だと思います。
手術を決断するまで
診断結果を受けて、先生は「まだ神経の動きが残っている今が手術のタイミングです」と慎重に説明してくれました。
「手術なんて大げさでは?」という迷いも正直ありました。費用のこと、術後の生活のこと、そしてクゥの体への負担…。頭の中は不安でいっぱいでした。
しかし、悲しげに家族を見るクゥの目を見ていると「もう一度元気に歩かせてあげたい」という気持ちが強く湧いてきました。最終的に家族全員で「ここで決断しよう」と一致し、手術に進むことを決めました。
まとめ
愛犬が突然歩けなくなる姿を目にしたとき、飼い主はどうしても動揺してしまいます。しかし今回の経験を通して感じたのは、「できるだけ早く病院へ連れて行くこと」が何よりも大切だということでした。
時間の経過がその後の回復に大きく影響するのです。
そして検査や治療には必ず選択肢があり、最終的に決めるのは飼い主です。だからこそ分からないことは獣医さんに遠慮なく質問し、納得のいく形で選ぶことが重要だと強く思いました。
この記事が、同じように不安を抱えている方の少しでも参考になれば幸いです。次回は、手術後の生活とリハビリの様子をまとめていきたいと思います。
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