キッチンの中でも特に油汚れが溜まりやすい換気扇・レンジフード。
こまめな掃除を怠ると、こびりついた油汚れは落とすのも一苦労ですよね。
しかし、プロのテクニックを使えば、掃除の手間を大幅に減らし、ピカピカの状態をキープすることができます。
この記事では、換気扇・レンジフードの油汚れを効率的に落とす方法と、汚れをつきにくくする予防策をプロの視点から解説します。
換気扇・レンジフードの油汚れ、お湯と洗剤で楽に落とす!
外せるパーツは取り外して、お湯と洗剤で楽に落とそう
レンジフードの掃除って、油汚れがこびりついて本当に大変ですよね。
でも、ちょっとした工夫で、その苦労をグッと減らすことができるんです!
プロの私が実践しているのは、お湯を有効活用したつけ置き磨きです。
お湯の効果
油汚れは、温度が低いと固まってしまい、洗剤を使ってもなかなか落ちません。
しかし、お湯を使うことで油汚れが柔らかくなり、洗剤の効果を高めることができます。
特に、50~60℃のお湯が効果的です。
つけ置き磨きの手順
- パーツの分解: レンジフードのフィルター、ファン、ベルマウスなど、外せるパーツは全て取り外します。
- つけ置き磨きの準備: シンクや大きめの容器に50~60℃のお湯を張り、中性洗剤を適量溶かししっかり混ぜます。
- つけ置き磨き: 分解したパーツを洗剤液につけ置きします。というと放置するように聞こえてしまいますが、ここはつけ置き磨きなので、お湯が温かいうちにどんどん磨いていきます。
- 洗い流し: スポンジやブラシで優しく磨いた後、汚れを落とします。最後に、きれいなお湯でしっかりと洗い流しましょう。
- 乾燥: 洗い終わったパーツは、しっかりと乾燥させます。水気が残っていると、カビや雑菌の繁殖の原因になります。
洗剤パック
長く放置されていない油汚れは、洗剤パックがおすすめです。
キッチンペーパーなどをパーツにかけ、アルカリ電解水をふきつけ染み込ませ、汚れに貼り付けてしばらく放置します。
その後、ブラシやスポンジなどでこすり洗いし、洗い流しましょう。
アルカリ性の洗剤を使うことで、塗装の剥がれや変色が気になるところですが、黒の塗装はこすったところで少し剥がれたようなところもありましたが、全体的に見て気になるほどではなかったです。
レンジフード本体の外側や内側はアルカリ性の洗剤で手軽に掃除
油汚れを落としてくれるのはアルカリ性の洗剤です。
軽い油汚れなら、アルカリ電解水スプレーやオレンジ系のスプレーを吹きかけて、さっと拭き取るだけで簡単に落とせます。
内側の頑固な汚れには、スプレーを吹きかけ後、ブラシやコゲ取りスポンジで優しくこすり洗いすると、スッキリ落とせます。
細かいところははけを使うと効率よく落とせます
分解開始!つけ置きできるパーツを外していきます
換気扇・レンジフードの種類によって、分解方法が異なりますが、ここでは、一般的なシロッコファンタイプのレンジフードを例に、つけ置きできるパーツの外し方をご紹介します。
事前の注意事項と準備
- 感電防止のため、必ず換気扇・レンジフードの電源コネクターやコンセントを抜いておきましす。
- 換気扇・ レンジフードの下に新聞紙やビニールシートなどを敷いて、油汚れや洗剤が床やコンロに落ちないように保護します。
道具
- 大きめの容器もしくはバケツ:パックだけの場合必要ないです。
- ビニールシート
- 新聞紙
- ゴム手袋
- ドライバー: レンジフードの機種によって必要な場合があります。
- 洗剤:アルカリ電解水、オレンジクリーナー、中性洗剤、重曹など
- ヘラ:シロッコファンを覆っているカタツムリ(排気ダクト)の中の汚れをかき出す
- キッチンペーパー
- 雑巾
- 古い歯ブラシ: フィルターの頑固な汚れを落とします。
- コゲ取りスポンジ: 換気扇・レンジフード庫内こびりついた油汚れを落とすします。
- はけ: 換気扇・レンジフード庫内の細かい溝や隙間の汚れを落とします。
- マイクロファイバークロス: 繊維が残りにくいので、洗浄後の拭き取りにおすすめです。
整流板の外し方(薄型レンジフードの場合)
レンジフード前面にある板状のパーツで、調理中の煙や油を効率的に吸い込む役割を果たしています。機種によって形状や外し方が異なるので、以下の2つのタイプに分けて解説します。
マグネット固定式:整流版を両手で支えながら、内側にあるマグネットキャッチを外します。整流版は重いのでゆっくりと下げてください
レバー固定式:整流版の両端にあるレバーを下に下げます。レバーが固い場合は、潤滑油をさしてみたりするなどして、無理に力を加えないでください。
整流板の汚れの落とし方
整流版は外れますが、大きいので新聞紙を広げて、アルカリ電解水をふきつけながら、汚れをふき取るか、ひどいようであれば、キッチンペーパを敷いてお湯でホットパックしてからアルカリ電解水で吹き上げると効率よく汚れがおちます。
フィルターの外し方
フィルターは、レンジフード前面にある網状のパーツで、油煙やホコリをキャッチする役割を果たしています。
- ツメ固定式: フィルターの両端または片側にあるツメを内側に押しながら、手前に引いて外します。
- ネジ固定式: フィルターを固定しているネジをドライバーで外し、フィルターを取り外します。
- その他: 一部の機種では、フィルターがスライド式になっている場合があります。取扱説明書を確認し、正しい手順で外しましょう。
ベルマウスの外し方
ベルマウスは、シロッコファンの周りを囲む円筒形のパーツで、油汚れが溜まりやすい場所です。
- ネジ固定式: ベルマウスを固定しているネジを回し、ベルマウスを下にスライドさせて取り外します。(ドライバーが必要な場足もあります)
- ワンタッチ式: ベルマウスの側面にあるツメを押しながら、手前に引いて外します。
- その他: 一部の機種では、ベルマウスがオイルパックと一体型になっている場合があります。オイルパックを引き出して、ベルマウスを外しましょう。
油汚れがこびりついたフィルターとベルマウスはお湯でつけ置き磨き
強い洗剤等でつけ置きすると、汚れが落ちやすいですが、塗装が剥がれたりするものがあるので、まずは中性洗剤をつかいます。
キッチンのシンクに50~60度のお湯を張り、中性洗剤を適量加えてよく混ぜ合わせ、スポンジで全体を優しく洗い、浮き上がってきた汚れを洗い流します。
次に、古い歯ブラシを使ってフィルタの向きにそってブラシを入れ落としていきます。
つけ置き磨きということは、お湯を味方に落としていくので、冷めないうちに手を動かし、ブラシーでこすって磨いて汚れをどんどん落としていきます。
シロッコファンの外し方
フィルターを外すと、奥に円形のファン(シロッコファン)があり、強力な風力で油煙を吸い込みます。
中央のネジを外し、ファンを固定しているリングを回して取り外します。
- 中央のネジを外す: シロッコファンの中央にあるネジをドライバーで外します。
- リングを回して外す: ファンを固定しているリングを反時計回りに回し、ファンを引き抜いて取り外します。
- 注意: シロッコファンは、羽根が鋭利な場合があります。ケガをしないように、ゴム手袋を着用しましょう。
ファンの隙間にこびりついた汚れの落とし方
バケツにシロッコファンをいれ、50~60度のお湯を張り、中性洗剤を適量加えてよく混ぜ合わせます。
汚れがひどい場合は、30分~1時間つけ置きをし、つけ置きのバケツの中でブラシを使ってこすり落としていきます。
それでも落ちないようなら重曹を足してみましょう。
オイルバックの外し方
一部のレンジフードには、シロッコファンの下にオイルパックが設置されています。オイルパックは、引き出して簡単に取り外せます。
油汚れがひどいシロッコファンを覆っているカタツムリ(換気ダクト)の掃除
カタツムリは、シロッコファンを取り外した後に現れる、円筒形の空間です。
カタツムリの下部は油汚れが溜まりやすいので、少し広めのヘラを使ってカタツムリの形に沿って動かしてみましょう。
掃除がされていないと、ドロドロの油汚れが剥がれてくるはずです。
この汚れはしっかり落としてください。
取り除いた後は、オレンジクリーナーなど、油汚れに強い洗剤を吹きかけると、洗剤が汚れとしっかり反応し、さらに汚れが落としやすくなります。
注意:シロッコファンのモーター部分は濡らさないよう、雑巾で覆っておくと良いです。
分解時に無理は禁物!
レンジフードの機種によっては、分解方法が異なる場合があります。
必ず取扱説明書を確認し、正しい手順で分解しましょう。
パーツが固くて外れない場合は、無理に力を加えず、一度手を止めて確認しましょう。
ネジを外す際は、どの場所のネジかメモしておくと、組み立て時に迷わずに済みます。
換気扇・レンジフードの油汚れ、なぜ放置してはいけないの?
火災のリスクが高まる
換気扇・レンジフードに溜まった油汚れは、調理中の火が引火する原因となり、火災を引き起こす可能性があります。
特に、コンロの近くに設置されているレンジフードは、油汚れが燃えやすい位置にあるため注意が必要です。
換気効率の低下
油汚れが換気扇・レンジフードのフィルターやファンに付着すると、空気の流れを妨げ、換気効率が低下します。
また、カタツムリ(換気ダクト)に溜まった油で、シロッコファンの動きを妨げる可能性があり、換気機能が落ちる原因にもなり、さらに故障の原因にもつながっていきます。
衛生面の問題
油汚れは、カビや細菌の温床となりやすく、ゴキブリなどの害虫のエサにもなり、不衛生な環境を作り出します。
放置することで、キッチン全体の衛生状態が悪化する可能性もあります。
掃除の手間を減らす!油汚れをつきにくくする予防策
調理中の換気扇は必ずオン
調理中は、換気扇を必ずオンにして、油煙を効率的に排出しましょう。
調理後も、すぐに消してしまうのではなく、30分くらい弱風で回し続けることで、キッチン内の油分を飛ばし減らすことができます。
こまめな拭き掃除を習慣に
調理後、レンジフードや換気扇の表面を、キッチンペーパーなどで軽く拭き取るだけでも、油汚れの蓄積を防ぐことができます。
毎日こまめに拭き掃除をすることで、大掛かりな掃除の頻度を減らすことができます。
換気扇・レンジフードにフィルターを活用
換気扇・レンジフードにフィルターを上手く活用することで、油汚れの付着を大幅に減らすことができます。
そして、こまめに交換することがもっとも大事です。
まとめ
換気扇・レンジフードのお掃除はほんと時間も労力もかかります。
それでも、今回紹介した掃除方法は、とても落としやすくなっています。
もし、落ちにくいと感じたときは、もう少し強い洗剤に変えてみたり、お湯の温度をもう少し高くしてみたり工夫してみるとまた落ち方が変わってきます。
お掃除はきれいにしようと頑張ってるわけで、落ちないと楽しくなくなってしまいます。
労力に見合った結果がでる掃除にしていきたいものですね。
そして、少しでもきれいな状態を維持したいですよね。
一度大掃除をされた後は、フィルターを使ってみてください。
フィルターのあるなしでは、内部の汚れ具合が全然違います。
こまめにフィルターを交換しなければいけない手間はあります。
しかし、最近は色んなサイズ、異なった取り付け方法のフィルターが出ています。
ご家庭の換気扇・レンジフードのサイズにあった、簡単に取り付けれるものを選んでみてはいかがでしょうか?
油の使う頻度、フィルターの種類にもよりますが、お勧めは週2~月1で交換するといいですね。
「面倒だなぁ~」と感じるかもしれませんが、掃除をする労力を考えたら、交換は楽です。
換気扇が汚れていれば嫌いなゴキブリなどの害虫を呼び寄せる事になります。
こまめなフィルター交換が、換気扇・レンジフードをキレイに保ち、キッチンを清潔に保つ一番の近道です。
この記事が、あなたの換気扇・レンジフード掃除のお役に立てれば幸いです。
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