冬の朝、窓ガラスにびっしりとついた結露。見た目に不快なだけでなくカビやダニの発生原因にもなり、健康面にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、「家のサイレントキラー」とも呼ばれるほど、住宅にも悪影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、中性洗剤を使った結露防止方法や、対策方法にエアコンがおすすめな訳について詳しく解説していきます。最後までご覧ください。
結露防止に中性洗剤が効く!
界面活性剤が結露を防ぐ
中性洗剤に含まれる界面活性剤は水の表面張力を弱める働きがあります。通常、水は表面張力によって水滴になりやすい性質を持っています。そのため、窓ガラスに水蒸気が付着すると水滴となって結露が発生します。
しかし、界面活性剤を使うことで水の表面張力が弱まり水滴になりにくくなるため、結露の発生を抑制できるのです。
中性洗剤を使った結露防止方法
スプレーボトルに水を入れた後、中性洗剤を数滴たらして20倍に薄めます。目安としては、しっかりかき混ぜて少し泡立つ程度です。
中性洗剤の薄め方
一般的に中性洗剤の界面活性剤濃度は10~30%程度ですが、商品によって異なります。界面活性剤濃度が高い洗剤ほど少量でも効果が期待できます。しかし、濃度が低い場合は多めに使用する必要があるかもしれません。
最初は薄めから試して、結露防止効果が足りないようであれば洗剤の量を少しずつ増やしてみてください
- 界面活性剤濃度が30%程度の場合:水100㎖に対して洗剤5㎖程度
- 界面活性剤濃度が20%程度の場合:水100㎖に対して洗剤10㎖程度
- 界面活性剤濃度が10%程度の場合:水100㎖に対して洗剤20㎖程度
拭き取り方
結露防止効果を高めるには界面活性剤の濃度だけでなく、拭き取り方も重要です。適切な拭き取り方をすることで洗剤のムラや拭き残しを防ぎ、効率よく結露を抑制できます。
- 水で薄めた中性洗剤をスプレーボトルに入れ窓ガラス全体に吹きかけます。
- 吸水性が高く、細かい繊維で汚れを落とすマイクロファイバークロスを使用します。洗剤液を拭き取り、窓ガラス全体に薄く伸ばすように拭きます。
- 仕上げに乾いたマイクロファイバークロスで再度乾拭きします。
- 窓ガラスはキレイな乾いた状態で行いましょう。
- 新聞紙で拭き上げるとインクに含まれる油分がコーティング効果となり、結露防止効果を高めます。
- 拭き取りの際は力を入れすぎないように優しく拭きましょう。
- 同じ方向に拭くのではなく、縦横交互に拭くとより効果を高めます。
- 窓枠やサッシなども忘れずに拭きましょう。
実際に実験してみました
界面活性剤の効果を確かめるために、簡単な実験をしてみました。用意したのは同じ大きさのコップ2つ。片方のコップには何もせず、もう片方のコップの外側に中性洗剤を水で薄めたものを吹きかけ、マイクロファイバークロスで拭き取ります。
そして、両方のコップに同じ量の水を入れ、冷凍庫で数分間冷やします。冷凍庫から取り出して観察してみると洗剤を吹きかけたコップ(写真左)は、何もしていないコップ(写真右)に比べて結露の量が少なくなっていました。
この実験から、界面活性剤には結露を抑制する効果があるということがはっきりとわかりました。
結露が発生する原因とは?
湿度と温度差が結露の鍵
空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができます。冬は暖房で暖められた室内には、たくさんの水蒸気を抱え込んだ状態。この水蒸気をたっぷり含んだ暖かい空気が、キンキンに冷えた窓ガラスに触れるとどうなるでしょう?
空気中の水蒸気が冷やされて窓ガラスに水滴として現れるのです。これが結露の正体です。
つまり、結露が発生しやすい条件は、
- 室内の湿度が高い
- 窓ガラスの温度が低い
この二つが揃った時です。湿度が高いほど空気中の水蒸気量が多いので結露しやすくなります。結露を防ぐにはこの湿度と温度差をコントロールすることが重要になるのです。
放置するとカビやダニのリスクも
結露を放置すると窓枠や壁にカビが生えやすくなります。カビはアレルギーや呼吸器疾患の原因となるだけでなく、家の構造を傷める可能性もあります。また、ダニも湿気を好むため、結露はダニの繁殖を助長してしまいます。
結露させない日頃からの対策
換気をこまめにする
結露は室内の湿度が高いことが原因の一つです。 こまめな換気によって湿気を含んだ空気を外に出し、新鮮な空気を取り込みましょう。寒い冬は特に換気は嫌ですよね~でもお家や健康のためにできることから始めてみませんか。
調理中
料理中は水蒸気だけでなく油もたくさん飛び散りますよね。実は我が家は、キッチンの近くにエアコンを設置しているんです。以前、油汚れが原因でエアコンのドレンパンが詰まってしまい大変な思いをしました。それ以来、調理中は換気扇を最強モードで回して油汚れがエアコンに付着しないように徹底しています。
調理後も油や湿気が残っていると壁や天井に汚れが付着したり、カビの原因になったりすることもあるので、30分ほどは換気扇を回し続けています。さすがに最強モードだと音が気になるので、最小モードに切り替えていますが…。
でも、換気扇を回し続けることで湿気と油汚れの両方を効果的に排出できるので、一石二鳥だなと思っています。
浴室
以前は、冬場の乾燥対策としてお風呂上がりに浴室の扉を開けっぱなしにしていました。浴室の湿気を部屋に逃がせば加湿器代わりになると思っていましたし、お風呂場も早く乾くと思っていました。
しかし、これは大きな間違いでした。浴室の湿気を部屋に持ち込むことで部屋全体の湿度が上がり、窓ガラスや壁で結露が発生しやすくなってしまうのです。さらに、カビやダニの繁殖も促進してしまうため、健康面にも悪影響です。
そこで、浴室乾燥機を使うことにしました。浴室乾燥機は強力な換気機能で湿気を効率的に排出し、乾燥機能で浴室をカラッと乾燥させてくれます。
とは言っても、浴室乾燥機は電気代が高いというイメージがありました。しかし、結露による家のダメージや健康への影響を考えると、毎日のケアとして使う方が良いと判断しました。今では、夜間の電気代が安い時間に4時間ほどタイマーをかけて年中浴室乾燥機を使用しています。
室内の湿度を適切に保つ
室内の湿度が高いと結露が発生しやすくなります。 湿度計を設置し、適切な湿度を保つように心がけましょう。 理想的な湿度は40~60%と言われています。
加湿器を使う
我が家では湿度計を置くようになってから、部屋の湿度をこまめにチェックしています。冬場は特に乾燥がひどく、湿度が38%まで下がってしまうこともありました。普段でも45%前後とかなり乾燥した状態です。
空気が乾燥していると体感温度が下がるため、以前は寒さに弱い私はエアコンの温度を高く設定しがちでした。しかし、湿度計を置いたことで湿度を意識するようになり、同じ室内温度でも湿度が上がるだけで体感温度が上がり暖かく感じられることに気づきました。
その結果、エアコンの温度を4~5度も下げることができ、電気カーペットも使うことが減りました。ただ、日によっては湿度が高くなりすぎてしまうこともあります。そのため、湿度計でこまめに湿度をチェックし、加湿器は適切に使うように心がけています。
除湿器の活用
以前は洗濯物を外に干していましたが、洗濯室に除湿器を設置してからは外干しをすることがなくなりました。外干しは、臭いや虫・花粉などが付着するのが悩みでした。特に我が家は黒い衣類が多く色褪せを防ぐために陰干しする必要があり、とても手間がかかっていました。
雨の日は洗濯物が乾きにくく、生乾きの臭いが気になることもありました。除湿器を使うようになってからはこれらの悩みから解放されました。洗濯物も洗濯室もカラッと乾き、干し時間も大幅に短縮されました。中古で購入した除湿器ですが、13年間愛用しています。
除湿剤の活用
除湿剤というと玄関やクローゼット、押し入れなどに置くイメージがありますよね?私も以前はそうでした。湿気が溜まりやすい場所といえば、そういった収納スペースを思い浮かべていました。ところがある時、余っていた除湿剤を何気なくキッチンシンク下に置いてみたんです。
すると、驚くほど水が溜まっていてびっくり!実は、キッチンシンク下も湿気が溜まりやすい場所だったんですね。それ以来、シンク下にも必ず除湿剤を置くようにしています。
室温を均一に保つ
窓際と室内の温度差が大きいと結露が発生しやすくなります。 暖房器具を効果的に使用し、室温を均一に保ちましょう。サーキュレーターを使って空気を循環させることで、室温を均一に保ち結露の発生を抑えられます。
窓の断熱性を高める
窓の断熱性を高めることで結露の発生を抑制することができます。例えば、断熱フィルムを貼ることで窓からの冷気を遮断できます。または、二重窓にすることで窓と部屋の間に空気層ができ、断熱効果が大幅に向上します。
水蒸気の発生源を減らす
冬場の暖房器具としてストーブやファンヒーターは手軽で暖かさを感じやすいですが、実は水蒸気の発生源となることをご存知でしょうか?石油ストーブやガスファンヒーターは、燃料を燃焼させる際に水蒸気を発生させます。
そのため部屋の湿度が上がりやすく、結露が発生しやすくなってしまうのです。一方、エアコンは空気中の熱を移動させることで部屋を暖めるため、水蒸気を発生させません。そのため、結露対策の観点からはエアコンの方がおすすめです。
エアコンを使うメリット
- 水蒸気を発生させないため結露のリスクを抑えられます。
- 加湿器と併用することで適切な湿度を保ちやすくなります。
- エアコンには空気清浄機能やフィルターが付いているものが多く、空気を清潔に保つことができます。
ストーブやファンヒーターを使う際の注意点
- 燃焼によって発生する水蒸気を排出するため、こまめな換気が重要です。
- 湿度計で湿度をチェックし加湿器の併用を検討しましょう。
- 窓ガラスに断熱フィルムを貼るなど結露対策をして、結露の発生を抑えましょう。
まとめ
この記事では、窓の結露防止に効率のよい中性洗剤と暖房器具の選び方について解説しました。中性洗剤の界面活性剤は、水の表面張力を弱めることで結露の発生を抑制します。暖房器具としては、水蒸気を発生させないエアコンが結露対策におすすめです。
ぜひ、この記事を参考に結露対策を実践してみてください。
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