私が50代に入って最初に感じたのは、「このまま物に囲まれて年を重ねていいのだろうか?」という漠然とした不安でした。
若い頃は片付けが苦手で、断捨離なんて自分には無縁だと思っていましたが、ある日、クローゼットの奥に眠る昔のワンピースを見つけたことがきっかけで、少しずつ自分の持ち物や気持ちに向き合うようになりました。
この体験を通じて、私なりの“ゆる断捨離”のコツや心の変化を、できるだけ具体的にお伝えします。「片付けたいけど、どこから手をつければいいか分からない…」と悩んでいる方に、少しでも参考になれば幸いです。
50代で断捨離を始めたきっかけ
人生の節目に「物」と向き合う
50歳の誕生日を過ぎたある日、久しぶりにクローゼットの整理に取りかかりました。奥の方から出てきたのは、20年前に「いつか着よう」と思って買ったワンピース。痩せたら着るつもりで大切にしていたのに、結局一度も袖を通さないまま年月だけが過ぎていました。
そのワンピースを手に取った瞬間、過去の自分の期待や執着が一気に押し寄せてきて、「本当にこれが必要なのか?」と初めて真剣に考えるようになりました。この出来事が、私の断捨離人生の第一歩になりました。
体力・判断力があるうちに始める
きっかけは、80代の母が膝の手術をしてから、1年で急激に体力が低下してしまい、家の中の移動だけでも大変で、重い物の持ち運びはできなくなったことでした。私は、そんな母をみて急激に何もできなくなることが大きな衝撃でした。
こうした経験から「今の私が動けるうちに、自分の手で大切なものを整理しておきたい」と強く感じました。これからの人生は、自分の意志で暮らしに変化をもたらしていこうと大きく心が変化した瞬間でした。
私が実践した「自分基準」の断捨離
「過去の私」ではなく「今の私」を基準に
私が最初に決めたのは、「今の自分が本当に使っているかどうか」を基準にすること。具体的には、「この1年で3回以上使ったか?」と自分に問いかけます。
たとえば、10年前に思い切って買った高級ミキサー。以前は毎朝スムージー作りに使っていましたが、最近は存在すら忘れていました。棚の奥から出してきて、「また使うかも」と迷いましたが、「今の私には必要ない」と自分に言い聞かせて手放しました。
こうして、過去の思い出よりも今の自分の暮らしを大切にすることを意識しています。
片付ける場所を決めて、狭い範囲から始める
最初は一度に全部を片付けようとして失敗しました。なので、今は「今週はキッチンのこの引き出しだけ」「週末は集中ストックだけ」と、1か所ずつ進めるようにしています。そうすることで達成感も得られ、無理なく続けられるようになりました。
要・不要・お別れ予備軍に分ける
最初は勢いでお気に入りのマグカップまで手放してしまい、翌朝になって「やっぱり戻したい!」とゴミ袋を探す羽目に…。この失敗から学び、「迷ったものはすぐに捨てず、2週間だけ“お別れ予備軍ボックス”に入れて様子を見る」という自分ルールを作りました。
実際に2週間経つと、意外と「やっぱりいらないな」と思えることが多く、後悔がぐっと減りました。こうした自分なりの工夫が、断捨離を続ける上でとても役立っています。
体験に基づくQ&A
A.
子どもの工作や旅行のお土産を整理する時、ひとつひとつにストーリーがあり、捨てられませんでした。でも、写真に撮ってアルバムアプリに保存。データ化することで、物を手放すハードルがぐっと下がりました。
A.
途中でやる気が落ちた時は、自分なりの「片付けスイッチ」を大切にしています。たとえば、甘いものとコーヒータイムが大好きなので、「今日はこの引き出しの上段だけ片付ける」と小さな目標を決め、お気に入りの音楽を流しながら作業を始めるのが私のやり方です。
作業を終えたら、午後3時にドーナツを食べることがご褒美です。こうしたご褒美が、また頑張ろうという気持ちを後押ししてくれます。
A.
まずは私は自分だけでスタートしてみました。片付けるたびに、家族に断捨離をして「掃除が楽になった」「探し物が見つかった」「コートのポケットからお金が出てきた」と感じたことを素直に話していたら、いつの間にか家族も自分から片付けを始めていました。特に「お金が出てきた話」が印象的だったんでしょうね(笑)今ではお宝探し感覚で断捨離を楽しんでいます。
迷ったときの私のチェックリスト
断捨離中、「これはどうしよう…?」と迷ったときに私が実際に使っているチェックリストです。
迷ったときの5つの質問
ここ1年で使った?今の生活に必要?
□ YES → 残す □ NO → 次の質問へ
これがなくなったら困る?
□ YES → 残す □ NO → 次の質問へ
同じようなものが他にもある?
□ YES → 手放す候補 □ NO → 次の質問へ
思い出として残したい?
□ YES → 写真に撮って手放す or 思い出ボックスへ □ NO → 次の質問へ
誰かに譲ったら喜ばれそう?
□ YES → 譲る・リサイクル □ NO → “お別れ予備軍”として2週間保留
ここからプリントして使うのがお勧めです!
さらに迷うときは…
2週間「お別れ予備軍ボックス」に入れて様子を見るそれでも使わなければ、感謝して手放す。
このQ&Aとチェックリストが、あなたの断捨離の迷いを減らし、スムーズに進めるヒントになれば嬉しいです!
買取店やリサイクルを活用する
50代になると、新しいことに挑戦するのが少し億劫に感じたり、「今さら…」と思ってしまうこともあります。私も、ブランド品やまだ使えるものをSNSで売るという方法に興味はあったものの、使い方や発送方法が分からず、なかなか一歩を踏み出せませんでした。
そんな時、デビィ夫人の「チャレンジする気持ちがなくなったら老ける」と言ってチャレンジし続ける姿に衝撃を受けたのを覚えています。50代で無理かもと全てにブレーキをかけていた自分とおさらばして、新しいことにチャレンジする気持ちを持ち続けようと決めた瞬間です。
それから思い切ってSNSでの販売に挑戦してみました。最初は戸惑いや失敗もありましたが、続けていくうちに少しずつ慣れ、今では断捨離がちょっとしたお小遣い稼ぎにもなっています。
断捨離で感じた心と暮らしの変化
掃除が楽で時短化
断捨離を始めてから1か月。朝、リビングのカーテンを開けると、以前よりも部屋が明るく感じられるようになりました。床に物がなくなったことで、掃除機をかけるのもとても楽になり、毎朝の掃除が5分で終わるように。
その分、コーヒーをゆっくり味わう時間ができ、「自分の時間」を持てることが何より嬉しい変化でした。小さなことですが、こうした積み重ねが心の余裕につながっています。
気持ちが前向きに、ストレスが減少
物が減ると、気持ちまで不思議と軽やかになりました。部屋がすっきり片付いていく様子を見ることで、大きな達成感が感じられました。
探し物をすることも減り、ストレスもかなり少なくなりました。断捨離を続けていく中で、「今の私にとって本当に必要か?」と考える習慣が身につき、物だけでなく考え方や人間関係、時間の使い方まで見直すようになりました。
健康への意識が高まった
キッチンや冷蔵庫の整理を進めたことで、まず食材の無駄が減りました。そうするとさらに無駄をなくそうと意識も変わって、毎日の献立を計画的に考えるようになり、自然と栄養バランスの良い食事が増え、家族みんなで健康的な食生活を楽しめるようになりました。
また、スマートウォッチで睡眠や運動を記録するようになり、目で見える健康が意識を高めてくれます。今では、朝と夜のストレッチが日課になりました。断捨離を始めただけで、こんなに生活や体調まで変わるなんて思ってもいませんでした。
家族とのコミュニケーションが増えた
ある夜、夫と一緒に断捨離中に出てきた古いアルバムを眺めながら、「この時は大変だったね」と懐かしい話で盛り上がりました。
普段はなかなか話さない思い出や、お互いの気持ちを自然に伝え合うきっかけになり、夫婦の距離が前よりも近くなった気がします。断捨離が、家族のコミュニケーションにも良い影響を与えてくれました。
物への執着が減り、身軽に
思い出の品や、かつて高価だった物を手放すのは、やはり最初は迷いがありました。でも、”マイルール”が役に立って、自分に問いかけるうちに、思い出や価値は物そのものではなく、自分の心にちゃんと残っていると気づくようになりました。
まとめ:50代の断捨離は人生の新しいスタート
50代になってから始めた断捨離は、私にとって「人生の再スタート」でした。「もう遅い」と思っていたけれど、実際に始めてみると、心も暮らしも想像以上に軽くなりました。
これからも自分のペースで、今の自分に合った暮らしを楽しんでいきたいと思います。私の体験が、どなたかの背中を押すきっかけになれば嬉しいです。
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